面白かった・・・

死都日本

死都日本

読了。
なんかもう、「俺はこれが書きたいんだ!!!」っていう著者の意気込みがビシバシ伝わってくる文章だった。読んでいて小気味良かった。
以下、ネタバレあります。未読の方はご注意を。
書いているテーマは、そら恐ろしい災害の話で、物語の中では数百万の人間が死ぬ。
しかし、著者は、そんなことお構いなしである。
主人公とその仲間たちは、一部を除いて生き残り、しかも、まぁ、ある意味ハッピーエンド。
しかし、単なる数として表現される、言い換えれば、災害の被災者として人格なく描写される人々には容赦ない。
えびの市は一瞬にして壊滅、都城市13万人も、鹿児島市の57万人も死に絶える。
また、人格を表現された人物も、著者の好みに合わない凡物だと、非業の死を賜る。小説中の鹿児島県知事田丸は、自らの不見識によって県庁職員600人を巻き込んで、県庁舎ごと滅びる。
もう、この本を読めば著者が、現実の現在の政権が大嫌い、公益法人なんてもってのほか、原発を作るなんてもはやキチガイとしか思えないなどなど、好き嫌いがはっきりわかる。
体裁は娯楽小説で、しかもうまくつくられているのだが、著者の主張が、まんまと頭に刷り込まれる仕様だ。
表現者としては、これぐらい倣岸不遜でいいと思う、しかし著者は医師であるとのことだが、このセンセイの患者にはなりたくない、そう思うのも事実(笑)。



(ここからは、私的メモかな・・・)
まぁ、細かいところに不満はあるものの、ドキドキしながら読み進むことが出来た。なにより真理が助かって良かった。もし、私が著者だったら、「そんなご都合主義が通るものか!」と、真理を可能な限り凄惨な描写で焼き殺していたかもしれんな・・・。そうしたら、読後感は救いようのないものになっていたろうな。とにかく、真理を殺さないでくれてありがとう(笑)。
でも、この著者はとにかくこの本で、「噴火」して、自分の一番書きたいことを書きつくしてしまってるのでは?新しく書きたいことが見つかる=「マグマが溜まる」のには時間がかかるんではないのかな?このあとに「震災列島」って作品があるようだけど、果たして・・・。